お出かけ・トレンド

公園遊びや水遊びなど、子どもとのお出かけでママ&パパの頭を悩ませるのが「夏の赤ちゃんケア」ではないでしょうか?
「暑い日のお散歩、熱中症にならないか心配…水分って子どもの場合はどれくらいあげればいいの?」
ママ&パパたちのそんな不安の声にお応えすべく、夏の代表的なお悩みである水分補給、熱中症対策に焦点を当て、解説していきます!
見落としがちな注意点もご紹介していきますよ。
この記事を読んで、もっと安心して夏を過ごせますように。
【夏の子どもの命を守る!年齢別】熱中症と水分補給の徹底対策
夏の暑さが厳しくなると、ママ&パパがもっとも気にするのが熱中症ですよね。
大人でも気をつけなければならない熱中症ですが、体温調節機能が未熟な赤ちゃんや小さな子どもには、大人とはまた違った注意が必要です。
「こまめな水分補給が大切」とよく耳にしますが、具体的に「何を」「どれくらい」「いつ」あげればいいのか、迷ってしまうママも多いはず。
「完母の場合も水分補給が必要なの?」と気になっているママもいるかもしれませんね。
ここでは、そんな夏の水分補給に関する疑問をわかりやすく解決していきます!
乳幼児の夏の水分補給:月齢・年齢別の基本と選び方
子どもの夏の水分補給は、月齢や年齢によって少しポイントが変わってきます。
離乳食前の赤ちゃん(〜生後6ヵ月頃)の夏の水分補給
生後間もない赤ちゃんや離乳食前の赤ちゃんは、基本的には母乳やミルクで十分な水分を摂ることができます。特別な理由がない限り、麦茶やイオン飲料などを積極的に与える必要はありません。
「飲ませないと脱水になっちゃう?」と心配になるかもしれませんが、麦茶やイオン飲料を飲みすぎるとそれでおなかがいっぱいになってしまって、成長に必要な母乳やミルクを十分飲めなくなってしまうこともあります。普段よりも少しだけ母乳やミルクの1回量を増やしたり、あげるタイミングをお風呂などの汗をかく前にするだけで、夏の水分補給としては十分なことが多いですよ。
離乳食後の赤ちゃん(生後7ヵ月〜1歳頃)の夏の水分補給
離乳食が始まり、少しずつ固形物を食べるようになったら、水や赤ちゃん用の麦茶が水分補給の基本となります。麦茶にはカフェインが含まれておらずミネラルも補給できるので、日常的な水分補給にぴったりです。
<赤ちゃんの水分補給にNGな飲み物>
- イオン飲料・スポーツドリンク: 発熱や下痢などで脱水症状が心配なときには有効な場合がありますが、糖分が多く含まれているため、日常的に与えるのは控えるのが賢明です。飲みすぎると虫歯の原因になったり、食欲不振につながったりする可能性も。あくまで「特別なときのお楽しみ」と位置づけて、普段は水や麦茶を選びましょう。
- ジュース類: 糖分が非常に多く、必要な栄養素が偏ってしまう可能性があるので、水分補給が目的であれば適していません。嗜好品として、ごく少量にとどめておくのがおすすめです。
- 牛乳: 栄養価は高いですが、水分補給が主な目的であれば適していません。牛乳は「飲み物」というより「食事やおやつの一部」として考えましょう。
1歳〜2歳頃の夏の水分補給:活動量増加に合わせた対応
離乳食が完了して幼児食がはじまるころには、遊びの量も増えて動きが活発になるので、夏の暑い日には特にこまめな水分補給が重要になります。
- 引き続き「水」と「麦茶」が主役: 基本は変わらず水と麦茶で十分です。
- 食事中の水分も意識: 汁物(スープや味噌汁)を献立に取り入れたり、水分の多い野菜や果物を積極的に食べさせたりするのもいい方法です。
- 外出時の水分携帯を忘れずに: お散歩や公園遊びの際には、水筒やマグを必ず持参しましょう。
3歳〜小学校入学前の夏の水分補給:自律を促しながら習慣化
この時期になると「喉が渇いた」と自分で伝えられるようになりますが、まだ遊びに夢中になると水分補給を忘れてしまうことも。ママは「飲んでくれるかな?」と心配するだけでなく、「喉が渇く前に飲む」習慣をつけさせるサポートをしていきましょう。
- 「水はいつもそばに」習慣: 自宅で遊んでいるときも、子どもがいつでも自分で水を飲めるような環境をつくってあげましょう。
- 外出前後のルーティン: 「お出かけ前にお茶を飲む」「帰ってきたらまず手を洗って、お茶を飲もうね」など、習慣として水分補給を組み込むとスムーズです。
- 遊びながらの水分補給: 公園で遊ぶ際など、休憩時に「お茶タイムだよー!」と声をかけ、友だちと一緒に飲む機会を作るのもいいですね。
「塩分補給」は基本は食事から
汗をたくさんかく日でも、未就学児であれば、基本的には通常の食事から摂れる塩分で十分です。無理に塩分タブレットなどを与える必要はありません。
ただし、極端に汗をかくような激しい運動を長時間行った場合や、体調不良の際は医師や薬剤師に相談してください。
喉が渇く前に!効果的な水分補給のタイミング
大人の私たちも、喉がカラカラになってから飲むと、一気にたくさんの量を飲んでしまうことがありますよね。喉の渇きを上手に伝えられないこともありますし、遊びに夢中で水分補給を忘れてしまうことも少なくありません。
「喉が渇いた!」と訴えてくる前に、意識的に水分を促してあげるのが、夏の水分補給の鉄則です!
- お出かけ前と帰宅後: 外出する前と、お家に帰ってきた後には、必ずコップ一杯の水分を習慣にしましょう。
- 遊びの合間: 公園での活発な遊びや、室内でも夢中になって遊んでいる途中には、こまめに休憩を取り、水分を促してあげてください。「ちょっと休憩しようね」「お茶飲もうか」と声をかけるのがポイントです。
- お昼寝の前後: 寝ている間も意外と汗をかくので、寝起きにはコップ一杯の水分補給を忘れずに。
- 入浴前後: お風呂で体が温まり、たくさんの汗をかきやすいので、お風呂に入る前と出た後には、必ず水分補給を心がけましょう。
このように、時間を決めてあげたり、「遊びの区切り」や「行動の前後」で意識的に飲ませるようにすると、習慣づきやすく、子どももスムーズに水分補給に応じてくれることが増えますよ。
わが子が水分を嫌がるとき、どうすればいい?
「うちの子、なかなかお茶を飲んでくれないの…」と悩むママもいるかもしれません。無理強いはせず、ちょっとした工夫で水分補給を促してみましょう。
- 温度を調整してみる: ひと肌の母乳やミルクを飲み慣れているので、冷たすぎるものが苦手な子もいます。少し温度を変えて試してみてください。
- ストローやコップを変えてみる: お気に入りのキャラクターのコップや、新しいストロー、カラフルなコップなど、見た目を変えるだけで興味を示し、飲んでくれることもあります。
- 遊びに取り入れる: 「乾杯しようね!」と声をかけたり、ママも一緒にコップを持って飲んだりして、楽しい雰囲気を作ってみましょう。
- ゼリーや果物で水分補給: どうしても飲んでくれないときは、水分を多く含む果物(スイカ、メロン、キュウリなど)や、水分補給用のゼリーなどを活用するのも一つの手です。ただし、これらも糖分が含まれているので、与えすぎには注意が必要です。
- 食事から水分を摂る: スープや味噌汁、水分の多い煮物なども、体に必要な水分を補給できます。夏野菜の中には水分を多く含むものも多いので、積極的に食事に取り入れてみましょう。
- 自分で選べるよろこびをきっかけに: 「お茶と水、どっちがいい?」などと選択肢を与え、自分で選ばせることで、主体的に水分補給に取り組む気持ちを育てることができます。
外出先での水分補給、スマートな準備術
夏のお出かけは、こまめな水分補給が必須ですよね。持ち運びやすさと衛生面に気を付けて、外出先での水分補給をスマートに準備しましょう。
- 水筒やマグの活用: 清潔な水筒やマグに、冷たい麦茶や水を入れて持ち歩きましょう。保冷機能のあるものがおすすめです。
- 小分けパックの麦茶: 赤ちゃん用の液体麦茶や、希釈タイプの麦茶は、荷物にならず、必要なときにサッと用意できて便利です。
- 氷を賢く使う: 夏場は水筒の中に氷をたくさん入れておくと、冷たさが長持ちします。ただし、小さな子どもの場合、誤嚥に注意して氷は入れすぎないか、飲む直前に取り出すようにしましょう。
- お店での購入も選択肢に: もしものときに備えて、コンビニや自販機で赤ちゃん用の水や麦茶を購入できるよう、常に小銭や現金を少し持っておくと安心です。
熱中症は水分補給だけじゃない!夏の暑さ対策のポイント
水分補給は熱中症対策の基本ですが、それだけで安心はできません。ここでは、水分補給以外にできる夏の暑さ対策のポイントをご紹介します。
体を効果的に冷やす場所と方法
暑い日には、体を効率よく冷やすことが大切です。特に、太い血管が通る場所を冷やすと、体全体を効果的にクールダウンできます。
- 冷やす場所: 首、わきの下、太ももの内側など
- 冷やし方: アイスノンや保冷剤をタオルでくるんで優しく当ててあげましょう。濡れタオルで体を拭いてあげるのも効果的です。ただし、嫌がる場合は無理強いせず様子を見ながら行ってくださいね。
お出かけ時の工夫で暑さを回避!
お出かけする際には、ちょっとした工夫で熱中症のリスクを下げることができます。
- ひんやりグッズの活用: ハンディ扇風機や、ベビーカーの背中に設置できる保冷シート、ひんやり素材のクールタオルなどを活用するのもおすすめです。
- 服装と日差し対策: 吸湿性・速乾性のある素材の服を選び、通気性の良いものを選びましょう。帽子をかぶせてあげたり、ベビーカーの日よけを最大限に活用したりするのも忘れずに。
- 時間帯を選ぶ: 気温が高くなる12〜15時頃の外出はできるだけ避け、比較的涼しい午前中や夕方にお出かけの予定を立てましょう。日陰を選んで歩く、商業施設など涼しい場所を利用するなど、工夫次第で快適に過ごせます。
見落としがちな注意点)ベビーカーの熱中症リスク
ベビーカーに乗っている状態は、地面からの照り返しの熱を受けやすく、大人よりも高い温度環境にいることが多いです。地面に近いほど気温は高くなるため、大人が感じているよりも、ベビーカー内の子どもはもっと暑さを感じていることを常に意識しましょう。また、日差しを防ぐためにベビーカーのシェードを利用していると赤ちゃんの周りの空気がこもりがちになります。風通しにも配慮しながらこまめに様子を確認し、背中や首元が汗ばんでいないかチェックしてあげましょう。
室内でも熱中症に!クーラーなどエアコン活用と車内放置の危険性
熱中症は屋外だけでなく、室内でも起こりえます。特に、以下のような点に注意が必要です。
室内でも油断は禁物!エアコン(クーラー)の活用を
「室内だから大丈夫」と油断しがちですが、風通しが悪かったり、湿度が高かったりすると、室内でも熱中症になる危険性があります。室温が28℃を超えたり、湿度が高いと感じたりする場合は、ためらわずにエアコン(クーラー)を適切に使いましょう。室温計や湿度計を活用して、快適な環境を保つことが大切です。冷えすぎないように、設定温度は26〜28℃を目安にし、扇風機を併用して空気を循環させるのも効果的です。
絶対にダメ!車の中に子どもをひとりにしない
「ちょっとだけだから」「すぐに戻るから」と、車内に子どもをひとり残すことは絶対にやめましょう。夏場の車内は、窓を閉め切っていれば、短時間であっても急激に温度が上昇します。たとえ日陰に停めて窓を少し開けていても、子どもの命に関わる危険な状態になる可能性があります。少しの時間でも子どもを車内に残すことは、決してしないでください。
赤ちゃんの熱中症、こんなサインに注意!
赤ちゃんは「暑い」「しんどい」と自分から訴えることができません。ママが日頃から注意深く様子を観察してあげることが大切です。次のようなサインが見られたら、熱中症の可能性があるため、迷わずお医者さんに相談したり、受診したりしてください。
- ぐったりしている、元気がない: 普段よりも明らかに元気がない、だるそうにしている、呼びかけへの反応が鈍いなど、普段と違う様子がないか確認しましょう。
- おしっこの量や回数: おしっこが出ていないのに、6時間以上まったく出ていない場合は、脱水のサインかもしれません。
- 母乳やミルクを飲む意欲・量: 母乳やミルクを飲む意欲が低下したり、飲む量が極端に減ったりしていないか観察しましょう。
- 体温が高いのに汗をかいていない: 体に熱がこもっているのに、汗が出ていない場合は危険なサインです。
- 顔が赤く、皮膚が熱い: 体全体が熱っぽい、顔が真っ赤になっているといった場合も注意が必要です。
見落としがちな注意点)母乳育児中のママもいつも以上の水分補給を忘れずに!
赤ちゃんの水分補給はもちろん大切ですが、母乳で赤ちゃんを育てているママ自身も、夏の水分補給には特別な注意が必要です。
母乳の約88%は水分でできています。赤ちゃんが飲む母乳は、ママの体から水分を供給しているということ。普段の生活に加えて、母乳を作るために多くの水分が必要になります。
特に汗をかきやすい夏場は、ママ自身が脱水状態になりやすく、それが熱中症のリスクを高めるだけでなく、母乳の分泌量にも影響を与える可能性があります。
- 意識的にこまめな水分補給を: 喉が渇いたと感じる前に、水やお茶(ノンカフェインのもの)をこまめに飲む習慣をつけましょう。授乳中は特に喉が渇きやすいので、赤ちゃんの隣に水筒を置いておくのもおすすめです。
- 食事からの水分・栄養も: バランスの取れた食事を心がけ、汁物や水分の多い野菜、果物なども積極的に摂りましょう。
- 無理は禁物: 体調がすぐれないと感じたら、無理をせずに休憩を取り、必要であれば医療機関を受診しましょう。
ママが元気でいることが、赤ちゃんの健やかな成長に繋がります。自分の体の声にも耳を傾け、しっかりと水分補給を行ってくださいね。
夏の赤ちゃんケア、ひとりで抱え込まないで!
夏の赤ちゃんケアは、熱中症など、気になることが尽きませんよね。でも、大切なのは、ママがひとりで抱え込まないことです。
今回の記事で、
- 乳幼児の水分補給は月齢・年齢別に考えることが重要。
- 離乳食前の赤ちゃんは母乳・ミルクが基本。
- 離乳食後や未就学児は水や麦茶を「喉が渇く前に」こまめに。
- イオン飲料は特別なとき以外は控えめに。
- 熱中症対策は水分補給だけでなく、体の冷却やお出かけ時の工夫も重要。
- ベビーカーは地面からの照り返しに注意。
- 室内でもエアコンを適切に使い、熱中症に注意。
- 車内に子どもをひとりにしないことを徹底。
- 熱中症のサイン(ぐったり、おしっこが出ないなど)に注意し、早期発見を。
といった重要なポイントが分かったかと思います。
それでも、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と育児&家事をしているとつい水分補給を忘れてしまうこともあるでしょう。
先輩ママのなかには「1時間おきにタイマーをセットしています」という人もいました。
「自分で時間を気にしながら水分補給するよりも、タイマーをセットして時間がきたら飲むようにする方が何も考えずに行動できて、わたしにはストレスがたまらないんです!」とおっしゃっていましたよ。
不安なことや疑問に思うことがあれば、かかりつけのお医者さんや薬剤師さんなど、専門家に気軽に相談してくださいね。今年の夏も親子で笑顔で過ごしましょう!
参考文献)
・政府広報オンライン「熱中症特別警戒アラートとは?発表時の対策と熱中症予防のポイント」
・消費者庁「Vol.593 子どもの熱中症対策を心がけましょう!」「Vol.626 早めの熱中症予防! 症状が現れたら速やかな処置を!」
・厚生労働省「全国市区町村母子保健事業の栄養担当者における栄養指導の心配事及びフォローに関する内容の検討」