赤ちゃん・子育て

いま、知育おもちゃへの関心度が急上昇しています。
とくにSNSでは、手作りの知育おもちゃを楽しんでいる#知育ママや、#手作りあそびをシェアするママたちの投稿が大人気!
高価なおもちゃを買わなくても、アイデア次第でおうちにあるものや100円ショップで揃えられる素材を活用した“手作りおもちゃ”が簡単に作れます。
しかも、そんな手づくりおもちゃこそ、子どもの五感を刺激し、遊びを通じて学びに結びつけてくれるのが嬉しいポイントです!
そこで、0歳から2歳くらいまでの子どもが夢中になって遊ぶおもちゃを、元保育士のママたちに教えていただきました。いくつかピックアップしてご紹介します。
※お子さんが手作りおもちゃで遊んでいるときは、かならずおうちの方・保護者の方が近くで見守ってくださいね。
年齢別 手や指先をたくさん使って脳に良い刺激となる知育おもちゃ
【0歳向け】はじめての感覚遊びがおすすめ
0歳向けの感覚遊びは、赤ちゃんが安全安心な環境の中で多様な刺激に触れ、脳と身体の発達を促すうえで欠かせない存在です。
まだ複雑なおもちゃは使えない時期だからこそ、シンプルに感覚を刺激できるおもちゃがおすすめでしょう。
親子のふれあいを通じて、赤ちゃんにとって「遊び=楽しい」「遊び=ママパパと一緒に遊べてしあわせ」という良いイメージを育むことにもつながりますね。
感触遊びが楽しい ♪ カラフル袋
一番簡単にできる、ファスナー付きビニール袋に小物を入れただけの知育おもちゃです。
リンリン、カサカサなど音と感触を楽しめます。
- 材料:
ファスナー付きビニール袋(チャック袋)、色とりどりのリボン、カラーボール、鈴など(誤飲の危険があるので厳重に封をする) - 作り方:
1. ファスナー付きのビニール袋に小物類を入れます。
2. 空気を含ませた状態でしっかりと封をします。
3. さらに袋の口をテープでとめます。安全面を十分に配慮してください。
※空気を入れるすぎると破裂する恐れがありますので、注意ください。
- ポイント①「視覚・聴覚・触覚」を刺激しましょう
- ポイント② 音や触り心地が変わるようにいろいろな素材を試しましょう
くっつけて はがして ふりまわしてOK!『ひっつきボール』
マジックテープを貼っただけのボールあそびです。生後10ヵ月をすぎると指先だけでなく、腕全体を動かして投げることもできるようになるので、つなげたボールタワーを振り回したり、1個のボールをはずしてつかんだり、赤ちゃんのやりたい放題の気持ちにこたえるおもちゃです。
- 材料:
カラフルボール、マジックテープ - 作り方:
1. カラフルボールに、数箇所マジックテープを貼ります。
2. カラフルボール同士をくっつけます。 - 遊び方:
カラーボールをはがしたりくっつけたりして遊びます。
つたい歩きができるようになったら『とってとってウォール』
つたい歩きがはじまると、いろいろなモノをつかんで引っ張り出したりし始める赤ちゃん。
そんなときに、壁にボールを貼っておくと、とって落としたりをくり返して遊ぶことができます。ボールを貼る位置を変えるのがコツですよ!
- 材料:
カラフルボールや小さなぬいぐるみ、折り紙などの赤ちゃんの手のひらサイズのおもちゃいろいろ - 作り方:
1. おもちゃたちに、両面テープやガムテープを丸めて貼ります。
2. 1のボールやおもちゃを壁にぺたんと貼ります。このとき、いろいろな高さになるように、貼りましょう。 - ポイント①「視覚・聴覚・触覚」を刺激しながら、力の入れ具合も工夫するようになります
- ポイント② 置く場所に高低差をつけることで全身運動にもなります
【1歳向け】“つまむ” “いれる” “ひっぱる” のくり返しで脳を刺激する
集中力アップ! 食事への興味にもつながる『はい、どうぞBOX』
1歳になると、自分の指や手を意識して「つまむ」「いれる」「ひっぱる」などの作業を楽しむようになります。そこで、赤ちゃんが自分でつまんで入れられるおもちゃを作ってみましょう。
箱やキャップにかわいい絵を描いたり、シールを貼ったりすると、「うさぎさんがおなかすいたみたい にんじんあげようか」「はい、どうぞ」など、お子さんとお話しながら楽しむこともできますよ。
- 材料:
空き箱、100均で買える丸いポンポンやペットボトルのキャップなど - 作り方:
1. 空き箱のふたに、お子さんの好きな動物の顔を書きます。
2. 絵の口になる部分に、ポンポンやペットボトルのキャップなど、入れるモノの大きさに合わせて丸や四角の穴を開けます。 - 遊び方:
ポンポンやキャップを持ち「あーん、はいどうぞ」など、口に食べさせるように穴に入れて遊びます。
※誤飲をしないようにご注意ください。
入れたり出したりをくり返すうちに、指先の器用さや集中力、達成感を得ることができます。
入れるモノの大きさと穴の大きさを変えることで、どれをどこに入れたらいいのかを自分で考えるようになり、大小関係を理解していきます。
また、「あーん」や「はいどうぞ」と食事のシチュエーションで遊ぶことで、食べることへの興味を引き出すことにもつながるでしょう。
もっと簡単にアレンジ!『いれちゃえ棒』
こちらは「棒とおし」のアレンジ版です。キッチンペーパースタンドにヘアゴムを棒に入れていくだけの単純な作業です。ヘアゴムをひっぱったり投げたり、考えて試したりしながら上手に棒に入れていく課程が見られるのは、親にとっても発見です。
- 材料:
キッチンペーパホルダー、ヘアゴムなど、穴の空いているもの
- 遊び方:
ヘアゴムをキッチンペーパーホルダーに入れるだけ
「棒通し」という知育おもちゃを聞いたことがあるかもしれませんね。
棒通しおもちゃは、指先の器用さを育てるだけでなく、集中力を高めるのにもぴったりの知育アイテムとして、人気の高いおもちゃです。それを自宅で安価ですぐに作れちゃうのは嬉しいですね。
さらに、ゴムなので伸びるのもポイントです。指や手の力を入れたり抜いたりする練習にもなりますよ。
動くから楽しい何度もやりたくなる『ころりん コースター』
ペットボトルを使って、透明のコースターを作りましょう。
1歳くらいの時期は、動くものを追いかけたり触りたくなったりします。ペットボトルのコースターを作ってボールの動きを追うだけで、小さなお子さんたちは夢中になります。
- 材料:
1リットルまたは1.5リットルのペットボトル、透明のガムテープ、またはビニールテープ、カラフルボール(風船を小さくふくらましても代用できます)、おもちゃのバケツやトートバッグなど - 作り方:
1. ペットボトルの上下をカットして筒状にします。これを2つ、3つ合わせてしっかり繋げます。
2.1で繋げた部分を、透明のガムテープやビニールテープでとめます。
3.2のペットボトルを壁などに、斜めに貼り、最後にバケツやトートバッグなどを置きます。 - 遊び方:
筒の透明なトンネルの中にボールを入れて遊びましょう。
ペットボトルを貼る位置や角度を変えて遊ぶと、ボールの動きも変わるので飽きずに何度も遊べます。いくつかトンネルをつくって、親子で競争をしても楽しいですね。
ボールの代用として、風船を少しふくらませて中に鈴などを入れたものを使うと、転がるときに音も楽しめます!
【2歳向け】創造力と集中力を高める手作りおもちゃ
あっちこっちに跳ねるのが楽しすぎる『ビョンビョン ふうせん』
2歳になると、小さなジャンプや小走りなど、全身を使って遊ぶのがお気に入りになります。
そこで、動くふうせんをキャッチするおもちゃを作ってみましょう。
- 材料:
100円ショップのふうせん、ねじりふうせん、スーパーボール、ビニールテープ - 作り方:
1. ねじりふうせんを膨らませて、口の部分にスーパーボールをつめて、ビニールテープでとめます。 - 遊び方:
ふうせんを弾ませてキャッチしたり、飛ばしたりして遊びましょう。
家族みんなで「ふうせんキャッチチャレンジ!」をして遊ぶとけっこう盛り上がります。
雨の日や外に出られないときに、家のなかでも運動遊びができるのは嬉しいですね。
絵合わせで認識遊びができる『絵合わせパズル皿』
『絵合わせパズル皿』は、「見て・考えて・手を動かす」遊びです。
絵を認識できる年齢なので、「これかな?」「あってるかな?」と、自分が知っている絵やイメージを合致させていきます。
遊びながら自然と“認識力”や“集中力”が育っていく知育遊びです。
- 材料:
紙皿、クレヨン、動物や食べ物の写真やイラスト、のり、はさみ(カッターナイフ) - 作り方:
1. 紙皿に、草花や果物、動物の絵を描いたり、写真やイラストを貼ったりしましょう。
2. はさみやカッターナイフで、紙皿を2つまたは3つに切り分けます。このとき、まっすぐに切るだけでなく、波型に切ったり、ギザギザに切ったりすると難易度があがります。お子さんの様子を見ながら、難易度をつけていくといいでしょう。 - 遊び方:
切った紙皿を床の上に起いて、絵合わせスタート!「これなんだ?」「はんぶんこになっちゃった」「この絵のお友だちはどこかな?」など、ゲーム感覚で遊べるように声をかけましょう。
SNSで手作りおもちゃを発信しているママパパに聞きました!
子どもの「これなあに?」「やってみたい!」を引き出す、楽しい手作りおもちゃ。
SNSで「手作りおもちゃ」を投稿しているママパパたちに、子どもが夢中になるポイントや、実際に作ってどうなのかリアルな感想を聞いてみました。
子どもたちの反応が高い!
「手作りおもちゃ」で遊ぶお子さんの様子を教えてください。
・子どもの目がキラキラする瞬間が多い
・ほんとうに楽しそうに笑っている
・1時間以上遊ぶことがある
・作っていると近くによってきて、興味シンシン
・好奇心旺盛に触ってみたり、音が鳴るたびに声をあげたりする
・0歳から1歳、1歳から2歳…と成長に合わせて徐々にレベルアップしていけるので、
「昨日できなかったことが今日はできた!」という体験がある
・上の子も寄ってきて一緒に作ったり、遊んでくれる
「親が作っている姿を見ただけでワクワクして寄ってくる」という声も多いので、一緒に遊びながら「こうしたらどうなるかな?」と声をかけつつ、子どもの反応をていねいに見守りたいですね。
ママパパの感想「子どもが夢中になるから助かる!」
実際に、「手作り知育おもちゃ」を遊びに取り入れているママたちからは、こんなコメントもいただきました。
「ママ友に教えてもらいInstagramにハマりました。子どもの喜ぶ顔が見たくて、いつもアイデアを考えています。一対一の子育てで毎日同じことのくり返しだったのが、文房具屋さんやいろいろな100円ショップに行くようになり、子育てが楽しくなりました」(0歳の女の子ママ)
「SNSで見かけて簡単そうだったので、おはじきの貯金箱を作ってみたら、1歳の娘が夢中!気づいたら30分以上遊んでくれるから、その間に家事が進んで助かります」(1歳の女の子ママ)
「身近で安価な材料で作るので、壊れたり汚れたりしてもあまり惜しくなく、気軽に新しいおもちゃを試せるのがメリット!」(1歳の男の子ママ)
予算をかけすぎずに手軽に試せるのに、子どもの興味や成長をしっかりサポートできるのが、手作り知育おもちゃの魅力です。「次はどんなおもちゃを作ろうかな?」とママ自身もワクワクできるのは嬉しいですね。
パパの感想「これくらい簡単なら作って遊べる!」
子育てメディアのパパ会員さんで「手作りおもちゃ」について聞いてみると、
仕事が忙しいパパたちも、週末や夕方のちょっとした時間に手作りおもちゃを一緒に楽しんでいるようです。
「わたし自身、工作が苦手と思っていたけど、やってみたら意外と楽しい!子どもに“パパ上手~!”って褒められて、わたしのほうがハマってしまいました。(2歳の女の子パパ)
「正直、子どもとの遊び方がよくわからなかったけど、一緒に工作をするのは意外と楽しいですね。色を塗ったり穴を開けたり、男の子っぽいしかけを考えてみたり・・・新たな父と子のコミュニケーション手段を発見しました」(1歳の男の子パパ)
「忙しいパパにこそ、ぜひ体験していただきたいですね。モノづくりって仕事のことを考えなくても済むんです。おもちゃを考えて作っているとリフレッシュできるなんて、知りませんでした」(1歳の女の子パパ)
「休日に段ボールでおままごとキッチンを作りました。大きいものは力作業も多いので、パパが活躍できる場面も多い!完成後は子どもと一緒に“今日のメニューは何かな?”なんて、ずっと遊んでいます」(2歳の女の子パパ)
子どもが遊ぶ姿を見るのはもちろん、パパ自身も工作の醍醐味を感じられるようです。
子どもが描いた絵や色合いに独創性をプラスするなど、パパならではのアイデアを盛り込んでみると、家族みんなが楽しめる時間になるでしょう。
なぜ、手作り知育おもちゃが注目されているの?
「手づくり知育おもちゃ」のムーブメントについて、SNS運用支援サービスをしている企業の担当者にお話を聞きました。
「手作り知育おもちゃのニーズが高まったのは、〝コロナ禍のおうち時間”が関係していると思います。小さなお子さんはとくに外に出られないので、少しでも家の中で楽しませたい! というママパパが急増し広がっていったのでしょう。
なかでも、おうち遊びに『知育にも役立つ遊び』が加わり、教育熱心なママパパに飛び火したのではないでしょうか」
【 手作り知育おもちゃが人気の理由 】
- 経済的負担が少ない
高い知育おもちゃを買うのは少し躊躇してしまう…というママパパも多い中、100円ショップや家にある廃材で作れる手作りおもちゃは、お財布に優しい - 子どもの成長に合わせてアレンジが可能
手作りだからこそ、子どもの興味やスキルに合わせて自由に難易度を調整できます。成長に合わせて少し手を加えていけば、長く遊べるおもちゃに早変わり - 親子のコミュニケーションが増える
工作から遊びまで一緒に行うことで、子どもの興味の動きを直接観察できるのがポイント。「次はどんなふうに遊んでみようか」といった会話が自然に生まれ、子どもとの距離がグッと近くなる - 環境に優しく、SDGsの視点でも注目
“リサイクル”や“リユース”を意識した工作は、無駄を減らし環境に配慮できる点でも評価されています。最近は子ども自身が「これ捨てずに何かに使えないかな?」と考える習慣が身についたという声も。
SNSで手作りおもちゃが人気なのは、家庭で使い捨てにしにくい工夫があることや、オリジナリティを楽しめる点が大きいでしょう。市販品では得られない体験があるのが、手作りの良さだと思います。
まとめ
子育ての日常がもっと豊かになる 手作りおもちゃ
手作り知育おもちゃは、子どもの成長段階に合わせた刺激を与えられるうえ、予算面でも負担が少なく、親子のコミュニケーションが深まるというメリットがたくさんあります。0歳・1歳・2歳と年齢が上がるごとに、必要な発達段階の遊びや難易度も変わりますので、ぜひ月齢に合わせて挑戦してみてください。
家庭にある空き箱やペットボトル、100円ショップで手に入るビーズやテープなど、身近な材料で十分作れるのも魅力です。お子さんが“もっとこうしたい!”と興味を示したら、そのアイデアを思い切り取り入れてみてください。きっと「自分がやりたい!」を叶えられたおもちゃほど、長く大切に遊んでくれます。
イラスト:なかがわ ふみ https://www.fuminakagawa.com/
お話:手作り知育おもちゃを展開している元保育士ママさん
SNSで手作りおもちゃを投稿しているママたち
知育監修:知育アドバイザー いしびききょうこ
https://babyco.co.jp/ishibiki-kyoko/