赤ちゃん・子育て

最近、防災に関する情報がどんどん更新され、私たちの生活により身近なものになっていますね。
みなさんは、防災グッズをしっかり備えていますか?
こんにちは、編集部のKママです。
いざ! という時のために準備している防災グッズ。それらは本当に防災グッズとして役立ち、必要なものでしょうか?
今回の記事では、防災グッズへの理解度を確認し「本当に役立つのか」「思い込みで準備していないか」を一緒に見直していきましょう。
Q.防災グッズってどういうもの? 説明できますか?
防災グッズとよく聞きますが、どういうものか答えられますか?
① 災害後に、最低限の生活を守るもの
② 災害が起きたときに、命を守るもの
③ 停電になったときに使えるもの
正解は…全部です。
災害時の「命を守るもの」「災害後の生活を支えるもの」どちらも必要です。
防災グッズは2種類を用意しておこう
防災グッズとは、地震や台風、大雪などの災害に備えて、家族の安全や災害後の生活を最低限守るために用意しておくアイテムのことです。
備えてもらいたい防災グッズには、大きく分けて「災害の被害を防ぐもの」と「被災後の生活を支えるもの」の2種類があります。
災害の被害を防ぐグッズ
- 家具が倒れないようにする固定器具
- 頭を守るヘルメット
- 初期消火のための消火器
など、事前に準備しておくことで、ケガや被害を防ぐことができます。
被災後の生活を支えるグッズ(避難場所に持っていくもの)
- 避難時に持ち出すリュック
- 水や食料品
- 救急用品
- 停電時に部屋を照らす照明
- 携帯ラジオ
- 衣類
- 45Lゴミ袋、ポリ袋など
- 貴重品
- 小銭
など、災害後に、少しでも以前の生活に近い状況で過ごすために必要なものです。ただ、避難場所はスペースが限られているため、多くを持ち出すことはできませんので、必要なものをリュックに入れておきましょう。
さらに加えたい『在宅避難の生活を支えるもの(長期間)』
『被災後の生活を支えるもの』は、避難場所と自宅で過ごす場合、そして外出している時の3つに分けて考えると安心です。
一般的に、避難所に持参する「非常用持出袋」は、一人あたり2泊3日分を目安に準備すると良いとされています。
一方、自宅で避難生活を送る場合は、一人あたり約1週間分の備蓄を確保しておくことが推奨されています。特に食料品は、家族の好みに合わせたものを用意しておくことで、心の負担を軽減する助けになりますので、ローリングストックをしておくと無駄なく活用できますよ。
- 「在宅避難」とは、災害が発生した際に、自宅が倒壊や火災、浸水、流出などの危険がない場合に、自宅で生活を続ける避難方法です。
災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産省HPより)
さらに加えたい『外出している時にあると便利なもの』
会社内や買い物先、道路などで災害が起きたときに、あったら良い防災グッズ。
一時的なものではありますが、数時間は動けない場合もありますので、これらをポーチに入れて常にバッグに入れておく安心でしょう。
- 携帯用トイレ
- モバイルバッテリー
- 小型ライト
- 45Lゴミ袋、ポリ袋など
- マスク
- 身分証明書
- 小銭
- カイロ
- ホイッスル
- 水
- チョコレートやキャラメルなどの甘い食べ物
- 衛生用品(ティッシュやハンカチ、絆創膏、常備薬など)
- 筆記用具 など
防災グッズは、家族の人数分備えておきましょう。また、子どもの成長や家族構成にあわせて、定期的に中身を見直すことも大切です。
携帯用トイレ。使用シーンを想像してみましょう…どこで使ったらいいの?
非常用持出袋に入っていることが多い「携帯用トイレ」。
ポケットサイズなので場所もあまり取らないため、大量に用意をしている人もいるそうです。
みなさんは、ポケットサイズの携帯用トイレを実際に試したことはありますか?
ここでちょっと想像してみましょう。
災害時、携帯用トイレをどこで使いますか? 近くの公衆トイレで? 会社のトイレで?周囲にトイレがない場合は?
携帯用トイレを使う時は、プライバシーが守れる場所が必要
携帯用トイレは便利ですが、それを使う時にはプライバシーが守れるスペースが必要です。
また、使ったあとはどのように処理をしましょうか?
災害時には、身を隠す場所を探すのも簡単ではないかもしれません。
使用後はゴミとして出せば良い、と思いがちですが、災害が起きたら、ゴミ収集車は数週間から何ヶ月も来ません。
実際に被災した人たちが困ったことの上位に「トイレ問題」があがっています。
携帯用トイレだけでなく、停電時に自宅のトイレが使えないことを踏まえ、本当に使えるトイレの防災グッズを考えてみましょう。
裸火のロウソクは、おすすめされていません
ロウソクを非常用持出袋に入れている方はいらっしゃいますか?
火をつけるだけで簡単に照明のかわりになるのは便利ですが、ロウソクは裸火が燃え移るリスクがあるため(総務省HPより)、政府からもおすすめされていません。
非常時には乾電池式の照明や電気不要のサイリウムなどを
乾電池式の照明は「ランタン」のようなものや「懐中電灯」です。
ほかに電気不要のサイリウムなど、安全な照明を準備することが推奨されていますので調べてみましょう。
停電時の部屋に懐中電灯は役に立ちそうもない
「ランタン」と「懐中電灯」は使うシーンが違います。
在宅避難の場合はランタンを1部屋に1つは用意をしておくと、安心できます。
懐中電灯は、足元を照らすなど、一部分を明るくするのに便利な照明です。
停電時に食事をしたり、トイレを使ったりする場合は、全体をやさしく照らすランタンが断然おすすめです。
結び方がわからない人でもロープは必須?
防災グッズの中でも「ロープ」は、災害時はもちろん、その後の生活でも大活躍するアイテムです。
ロープの活用シーン
- 避難時の手すりや固定用に使用したり、命綱として活用したり
- シートや毛布を固定して、簡易テントや目隠しに
- 衣類やタオルを干すための物干しロープとしても
- ケガや応急処置に
- 荷物の固定や運搬に
ただし、持っているだけじゃダメですよね。 ロープをしっかり使いこなすには、安全で確実な結び方ができないといけません。
とはいえ、ママやパパの中に「ロープを安全に結べます」って方はどれくらいいるでしょう?
使いこなすには練習が必要なので少々手間暇がかかってきますね。
ロープよりもダクトテープがいい
「ロープって結び方が難しい…」そんな方には、ダクトテープがおすすめです!
ダクトテープは粘着力が強く、布やプラスチック、金属など色々な素材にピタッと貼れて手軽に使えます。手すりの固定も、ケガの止血にも、荷物の固定にも使えます。
さらに、ねじれば強度もアップするので命綱としても活用できます。防水性も高いので、窓ガラスの飛散防止にもおすすめです。
巻くだけでOKなダクトテープを防災グッズに入れておくだけで、いざという時の安心感がアップします。
ダクトテープはこんな風につかえます
台風の予報が出たら、ガラス窓にダクトテープを貼っておくとガラスの飛散防止にも!
避難所以外での出番が少ないスリッパ
非常持ち出し袋にスリッパを入れている人も多いですが、じつは避難所以外では出番が少ないかもしれません。
避難所では床が硬く、長時間座ったり歩いたりすることが多いため、スリッパが役立ちます。
でも、外を歩くには底が厚くてしっかりしている靴のほうが安心ですよね。
そこで、持ち出し袋には「折りたためるスニーカー」や「スリッパ代わりの厚手ソックス」など、状況に応じて使い分けできるアイテムを準備しておくのがおすすめです。
実際にどんな状況でスリッパが役立つのか、家で試してみるのもいいかもしれませんね。
労力のわりに長時間もたない!? 手回しラジオ・発電機
手回し発電機や手回しラジオは、ハンドルを回して電気を作る便利なアイテムです。
ところが実際に使ってみると「こんなに回し続けるの!?」と驚くかもしれません。
さらに、手を回している間はほかの作業ができず、がんばっても発電量はわずか……。
疲れるわりに長時間もたないので、ちょっとがっかりするかもしれません。
防災の専門家や政府の防災情報にも、乾電池使用がすすめられていますので、ご自分で使いやすいものを選んで揃えましょう。
避難所には非常用電源があるため、無理して用意をしなくてもいいでしょう。
預金通帳や印鑑、キャッシュカードは、真っ先に持ち出すべき?
非常用持ち出しリストに「通帳や印鑑、クレジットカード」とありますが、災害時に持ち出せなかったり、慌てて探したり、取りに戻ってケガをしたりするケースもあります。
安心してください!無理に取りに行かなくても、身分証明書があればお金を引き出せる仕組みがあります。
まずは命を守ることを最優先に行動するように心がけましょう!
一番大事なのは身分証明書!
大規模災害時には、金融機関が特別措置を取り、身分証明書があれば通帳や印鑑がなくてもお金を引き出せます。
多くの銀行では1日10万円まで、ゆうちょ銀行なら1日20万円まで引き出しOK。ネット銀行でもコールセンターに連絡すれば、他の銀行口座に振り込んでもらえますよ。
一番大事なのは、運転免許証や健康保険証などの身分証明書です。避難バッグには必ず入れておきましょう。
災害時に役立つのは小銭だった
キャッシュレスの昨今、カードやスマホがあれば買い物は問題ナシ。ですよね。
ところが、実際に災害に遭った方に「役立った防災グッズ」を聞いたところ、小銭こそがピンチの時に大活躍したといいます。
- 在宅避難中に、物資を買おうとコンビニに行ったら、停電や通信障害でクレジットカードやスマホ決済が使えませんでした。
ちょうど現金で1万円札を数札もっていたので、出したら、「お釣りがありません…」と。このときに小銭を持ってたら、飲み物や食料品も買えたのに。
大きなお金よりも細かいお金が必須です。(東日本大震災被災者談)
用意している非常食。味はお口に合いますか?
非常食は長期保存が可能で、調理が簡単なものが多いですが、「美味しいかどうか」は意外と盲点になりがちです。
非常時のストレスが重なる中で、口に合わない食事をするのはさらに気分が落ち込む原因にもなります。
「もしも」に備える食の工夫も
実際に試してみて、「これなら大丈夫!」と思える非常食を見つけておくことが大切です。最近では、カレーやパスタ、パン、スープなどの洋食から煮魚や煮物などの和食まで、普段の食事に近いメニューの非常食も充実しています。実食して、バリエーションを増やしておくと飽きずに食べられるのでおすすめです。
味の確認にはこんなメリットもあります。
- 味の確認ができる:好みに合わないものを事前に見直せる。
- 調理方法を把握できる:お湯の量や時間をチェックしておくと、慌てず準備が可能。
- 賞味期限の管理:試食すれば自然と買い替えのタイミングも把握しやすくなる。
また、非常食をあたためられる便利器具があると、さらに気持ちも落ち着きます。
非常食も大切な防災グッズなので常に確認をするように心がけましょう。
ホントに使えるわが家の防災グッズは、実際に使ってみないとわからない
防災グッズを揃えただけで安心していませんか? いざという時に「どうやって使うの?」「思ったより役に立たない…」なんてこと、意外とあるものです。
防災グッズを実際に使ってみると、「本当に必要なの?」「もっと手軽な代用品があるかも!」と新たな発見があるはずです。
大事なのは、「備えるだけじゃなく、試してみること!」
家族みんなで少しずつチェックして、使い方をマスターしておけば、いざという時にあわてずにすみます。それが、家族の命を守り、災害後もストレスを減らして過ごすコツです。
・イラスト:なかがわふみ
・参考資料・引用元:首相官邸HP防災特集、厚生労働省HP、農林水産省HP、国土交通省HP、内閣府防災情報HP、政府広報オンラインHP