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はじめてのあんよ〜ハイハイから靴選びまで知っておきたい足のひみつ

こんにちは、編集部Jママです。

この記事に目をとめてくださったあなたのお子さんは、もうあんよをしてますか? それともこれからでしょうか?
「はじめてのあんよ」は親としてとっても感慨深いものですね。
今回は子どもの足トラブルをふせぐためにぜひ知っておいてもらいたいあんよについて、深掘りしていきたいと思います!

実は、「しっかり歩くためには、ハイハイ時期が大切」なんです。

え! もうハイハイ時期過ぎちゃったけれど大丈夫?と驚いてしまった方でも対策できることはあります!
「ハイハイはこれから」というお子さんにも、「もう歩き出しているけれど、どうしてあげればいいの?」と興味をもってくれたママ&パパにもためになるお話を
日本足育プロジェクト協会理事長の玉島麻理さんにうかがいました。

「ハイハイ」から歩く準備ははじまっている!

「赤ちゃんの “はじめて” と聞いて一番の思い出はなんですか?」とアンケート*をとってみたところ、

はじめてひとりで歩いたとき。「寝返りしてたのがついこの前なのに…」と、成長を感じて感動したから。(2歳男の子ママかなこさん)

という声があがったほど、はじめてのあんよはママ&パパにとって一大イベント。
歩き出す前は、「うちの子はいつから歩くんだろう」と心待ちにしているママ&パパも少なくないでしょう。

でも、早く歩いてほしいからといって無理につかまり立ちをさせてしまうのは厳禁です。
ハイハイ時期はとっても大切な成長期。自らつかまり立ちをはじめるまで、見守ってあげましょう。
赤ちゃんにとってハイハイは、移動手段と同時に歩くための準備期間です。
筋力や股関節の形成、脳の発達など、さまざまな成長の土台となるんですよ。

どんなハイハイでもいいの?

生後7〜9ヵ月頃からはじまるハイハイは、手足の筋肉の発達や認知機能の向上などにより、「あれほしい!」「いますぐ行きたい!」といった感情表現のひとつ。
腹ばい(ずりばい)、よつばい、高ばいなど、いろいろなハイハイの形がありますが、どんなハイハイでも大丈夫です。
ときどき「後ろに進んでばかりで、前に進まない!」とご相談を受けますが、これは足の筋力よりも腕の筋力が強くて下がってしまっている状態。
徐々に足にも筋力がついてきますから、心配いりません。

「はじめてのあんよ」のためにチャレンジしてもらいたいのは、高ばいです。
高ばいは、両手両足を床につけ、お尻をあげて移動する動作。
手で体を支え、顔をあげ、足指で床をけって進む、全身運動です。
腹筋や背中の筋肉まで使ったバランス訓練にもなります。

滑り台などの斜面を登ろうとすると自然に高ばいの姿勢が取れます。
布団を丸めてちょっと登るような動きもいいでしょう。
安全に配慮しながら遊びの中に取り入れてみてくださいね!

ハイハイしなくても大丈夫?

ハイハイが大切と言うと、
「うちの子、ハイハイしないでつかまり立ちをはじめちゃった! 大丈夫?」
と心配になるかもしれませんが、問題ありません!
無理につかまり立ちをさせるのはよくありませんが、自分から立ったのなら赤ちゃんにはその準備ができているということです。
立ったり歩き出したりしたあとでも、「待て待て~」とハイハイを親子遊びに取り入れてみるなど、ハイハイで培う筋力や運動能力を生活の中で身につけられますよ。

後半で「年齢別の足育体操」もご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

いよいよ「立っち」からの「あんよ!」

つかまり立ちをして伝い歩きをくり返すうちにバランス感覚が養われ、いよいよ自分自身の力で立つことができるように、そして一歩を踏み出して「はじめてのあんよ」の日がやってきます!
長い期間ハイハイをしていると、脚の筋力がついて安定して立てるようになるので「ハイハイ」が大事なんですね。
成長には個人差があるので、赤ちゃんのペースを待ってあげることは大切ですが、もしもこの時期にそっと手助けをしてあげたくなったら、
ちょっぴり背伸びをして手が届く場所におもちゃなどを置いて、取らせてあげましょう。
すると、つま先をしっかり使う動きを引き出せます。つま先や指先をよく動かすことは、りっぱな「足育」になりますよ。

赤ちゃんの歩き方は、つま先を使ったり、ガニ股でペタペタと歩いたり、千差万別。
ちょっと見慣れない歩き方をしているなと感じることがあるかもしれませんが、いろいろな歩き方を試しているのかもしれませんよ!
歩き方も成長とともに変化してくるでしょう。

歩き出したら靴選び?

家のなかで10〜20歩ぐらい歩けるようになったら、シューズデビューのタイミング!
足は人によっていろいろな形があるので、お子さんの足の形にあう靴を選ぶようにしましょう。
シューフィッター(靴のコンシェルジュ)に相談してみるのもいいですね。

赤ちゃんの足は、3歳ごろまで1年間に約2cm伸びていきます。
足にあわない靴をはいていると、うき指や扁平足、外反母趾などのトラブルを引き起こしたり、背骨や骨格に影響が出てしまうこともあります。
育ち盛りには急激に伸びることもあるので、月に1度はサイズチェックができるといいですね。

裸足の時間も大切に

足の成長期には裸足の時間も大切です。足裏で感じた刺激は脳への刺激にもつながるからです。
でも、裸足ならなんでもいいというわけではありません。

裸足のメリットは、指を使いながら地面をつかむようにして歩くことを覚えられること。
やわらかい土、芝生などでは足裏にいっぱい刺激を受けながら、足指をしっかり使い、バランスを取りながら姿勢や体の使い方を覚えていきます。

一方、コンクリートのようなかたい地面は、クッション性がないのでおすすめできません。
フローリングの床などには、コルクやカーペットを敷くなどの工夫をするといいですよ。畳もOKです。

足の裏のひみつ

赤ちゃんの足裏にはたくさんの神経が集まっています。この足裏を刺激することで、脳への刺激となり、脳の発達を促すと言われています。

足裏が刺激されていくうちに赤ちゃんは地面をしっかりと掴む力が強くなります。この力が強くなると土踏まずが形成され、安定した歩き方ができるようになるんです。
そして全身を使って遊び、体を動かすことが楽しくなり、心も体もぐんぐん成長していくんですね。

抱っこの仕方にも工夫を!

赤ちゃんの身体は骨や筋肉がまだ柔らかいので、形状記憶をしやすいのをご存じですか?
例えばいつも同じ向きで抱っこをしていると、赤ちゃんもそのバランスのクセがついてしまいます。

写真のように右側で抱っこしていると、赤ちゃんも右側を向きますね。
いつも右を向いていると、赤ちゃんも体や骨盤のバランスがそれを覚えます。
ですから左右に交互に抱く、前に抱くなどして、左右のバランスを整えるように心がけてあげてくださいね。
抱っこがあんよのクセに影響するなんて、ビックリですね!

親子の室内遊びにもぴったり!【年齢別】足育体操

子どもはもちろん、大人にとっても足への適度な刺激はとっても大切!親子でいっしょにやってみてください。

  • 0歳〜足指反らし
  • 0歳〜金魚体操
  • 1歳6ヶ月頃〜スーパーボールつかみ
  • 2歳〜足指じゃんけん

0歳〜足指反らし

赤ちゃんの指が何かをギュッと掴んでいるような状態だなぁ、と感じたことはありませんか?
これは「把握反射」という原始反射の一種で、外部からの刺激によって体が自然に反応するものです。この反射を利用して、足指のちょっとした運動ができます。

  1. 足の甲をなでて足指を開く
  2. 足指のつけ根あたりを軽くトントンして足指を閉じる

個人差はありますが、生後9〜10ヶ月になると把握反射はなくなるので、なくなってからは足指を痛みのない範囲でやさしく、ゆっくり反らしてあげましょう。

0歳〜金魚体操

かかとを下から支えるように両足を少し持ち上げ、足をそろえて左右に細かく波打つようにゆらします。足元からのゆれで全身の緊張がほぐれ、体のくせや筋肉のこわばりがほぐれます。
就寝前に布団で行うと、体がリラックスしてそのまま眠れるのでおすすめです。

1歳6ヶ月〜スーパーボールつかみ

スーパーボールを床に置き、足の指でつかむ練習です。
最初は小ぶりのツルッとした一般的な形状のスーパーボールで行うとやりやすいでしょう。
とったボールをお皿に入れて「時間内に何個入れられるかな?」と親子でゲーム感覚で競争すると楽しみながら足のトレーニングができますよ。

1歳〜足指じゃんけん

足の指に力を入れ、広げたり縮めたりすることで、足全体の運動になります。最初はうまくできなくても、続けていくとだんだんできるようになりますよ。
座りながら、寝そべって、いつでもどこでもできるのでやってみてくださいね!

ほかにも、「雑巾がけ」の運動は、足腰を力強く使いながら全身の筋肉を使えるようになるのでおすすめです。
座布団を雑巾のかわりにして遊びとして取り入れてみるのも楽しいですよ。座布団なら万が一転んでしまったときにもクッション替わりにもなります。
ハイハイ時期が短かったお子さんには特におすすめです!

まだまだご紹介しきれない足育体操は、こちらの本でチェックしてみてくださいね。
『足育たいそう たったった』のDVD付きで、子どもの成長にあわせた大切な足のお話しが盛りだくさんです。

子どもの足のトラブルを防ぐために
0歳からの足育のすすめ
監修:武藤芳照/著:玉島麻理・小野直洋・高山かおる(論創社)

足育で健やかな成長をサポート

「はじめてのあんよ」は、一生の思い出に残る大切な瞬間ですよね。
今回は、赤ちゃんの足を健やかに育てるための「足育」について詳しい玉島麻理さんに、ハイハイの大切さや歩き出す前の準備運動、そして歩き出してからの靴選びのポイントなど、赤ちゃんの足に関するお話しをうかがいました。

この記事を読んだあなたも、ぜひ赤ちゃんの足に意識を向けてみてください。
ちょっとした工夫で、赤ちゃんの足は健やかに育ちます。
力強く一歩を踏み出せるまで見守ってあげてくださいね!

■お話を聞いた先生:玉島麻理さん
足育Lab Ta・Ta・Ta 代表、日本足育プロジェクト協会理事長

子どもの「足育」を普及する活動を2011年からはじめ、現在まで約8000名の子ども達の足を計測してきたなかで足育アドバイザー®︎やBabyはぐ®︎トレーナーの養成や足育教室などを行なっている。
資格:教育学修士(大阪総合保育大学大学院修了)・歯科衛生士免許・小学校教諭2種免許・日本発達支援協議会認定発達障害児支援士・幼児体育初級公認指導員・AFA認定フットアドバイザー&シューズセラピスト・ペアレントトレーニングトレーナー・ビジョントレーニングインストラクター・カリーナエッセンシャルカレッジ認定インストラクター

*アンケート概要/対象:親育子育ラボがbabyco会員に向けメールマガジンで実施、時期:2024年11月、N=100

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