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幼児を守るための防災対策。家の中の安全対策とストレス軽減グッズ

災害はいつ起こるかわからないからこそ、家族を守るための準備が必要です。特に就学前の幼児は、大人のサポートなしでは避難や安全確保が難しいため、家庭での防災対策が重要です。

この記事では、1歳から5歳の幼児を守るための安全対策に加え、災害時のストレスを軽減するための工夫や便利なグッズを紹介します。

事前に備えることで、非常時でも落ちついた行動ができ、子どもの安心を確保することができます。
いざという時でも、家族全員で落ちついて対処できるようにしましょう。

幼児のための防災対策

他の月齢と異なる対策が必要

幼児期は、赤ちゃん期と比べて行動範囲が広がり、好奇心旺盛で周囲の状況を理解するのが難しいという特徴があります。
そのため、赤ちゃん期とは異なる防災対策が必要となります。

例えば、赤ちゃんは抱っこ紐やベビーカーで移動することが多いため、大人の行動範囲とほぼ一致すると言えるでしょう。

しかし、幼児は自分で歩きまわったり、おもちゃで遊んだりするため、ママやパパの目が届かない場所に移動してしまう可能性があります。

また、赤ちゃんは言葉で意思表示をすることができませんが、幼児は自分の気持ちを言葉で伝えることができるようになります。しかし地震などの災害発生時の緊急事態に、自分の状況を大人のように伝えることが難しい幼児が多いです。

これらのことから、幼児の防災対策では、赤ちゃん期とは異なる視点で考える必要があります。

家族全員で備える防災準備

幼児の安全を守るためには、普段から防災意識を高め、万が一の事態に備えておくことが重要です。具体的には、以下のことを心がけましょう。

・家具の固定

家具の転倒防止対策は、幼児の安全を守るうえで非常に重要です。特に、本棚やテレビ台など、重い家具はしっかりと固定しましょう。地震発生時に家具が倒れて幼児が下敷きになるのを防ぐことができます。

・非常用持ち出し袋の準備

非常用持ち出し袋には、幼児に必要なものを準備しておきましょう。具体的には、着替え・タオル・おもちゃなどです。ミルクやおむつが必要な場合は、3日分準備するのが一般的です。幼児用の防災頭巾や防災リュックなども用意しておくと安心です。

・避難場所の確認

地震などの災害が発生した場合、どこに避難すればいいのか、事前に確認しておきましょう。また、避難経路も確認しておくと、いざという時に慌てずに避難することができます。

・防災訓練

定期的に防災訓練を行い、幼児が災害時の行動を学ぶ機会を作りましょう。訓練を通して、幼児は災害への備えを意識し、大人の指示に従う力を身につけることで、いざという時に落ちついて行動できる可能性が高まります。

幼児の安全を第一に考えた防災対策

家具の固定と配置の見直し

幼児は、大人のように家具の危険性を理解することができません。地震や災害時に家具が倒れることは、大きなリスクとなります。そのため、家具の固定と配置の見直しは、幼児の安全を守る上で非常に重要です。

家具の固定には転倒防止という大きな役割がありますが、同時に避難する際にスムーズに移動できるよう通路を確保することにもつながります。
手の届く範囲の家具には角にクッションを取り付けることで、衝突時のケガを防ぐことができます。非常時には冷静に行動ができないので、普段からの安全対策がとても重要です。

危険物の整理や安全な場所の確保

幼児は大人のように危険物を認識することができません。そのため、災害時に幼児が危険物でけがをする可能性が高まります。危険物の整理や安全な場所の確保は、幼児の安全を守るために非常に重要です。

・危険物の整理

包丁やハサミ、ガラスの破片など、鋭利なものが周囲に散乱すると、幼児がさわったり、遊んだりするなかで切り傷や刺し傷を負う危険があります。

薬品や洗剤、化学薬品などが災害時に散乱し、幼児が間違って触れたり飲んだりすることで、深刻な健康被害をひきおこす可能性もあります。

・安全な場所の確保

地震などの災害発生時に、幼児が安全に避難できる場所を確保しておくことが大切です。例えば、部屋の端やテーブルの下など、比較的安全な場所を事前に決めておきましょう。また、幼児が安全に避難できるよう、避難経路も確認しておきましょう。

地域や保育施設との連携

地域や保育施設との連携は、その地域全体での協力体制を確立することにより、情報の共有や迅速な対応ができるようになります。これにより、災害時にも家族が安心して過ごせる環境を整えることができます。

地域との連携

日常から地域との連携をしておくことで、災害時に地域との連携へ備えることができます。

防災訓練への参加: 地域の防災訓練に参加することで、災害時の避難経路や対応方法を学び、実際に地域の人々と連携ができます。

地域防災計画の理解: 地域の防災計画やマニュアルを確認し、どのような支援が受けられるのかを理解しておきましょう。

SNSや地域掲示板の活用: 災害時には地域のSNSや掲示板を通じて、リアルタイムの情報共有が重要です。避難情報や安全情報を積極的に発信し、受け取るようにします。

緊急連絡網の整備: 家族や近隣住民との連絡網を作成し、災害時の安否確認や情報交換を円滑に行えるようにします。

保育施設との連携

災害時に自分の子どもが保育施設にいる可能性がある場合、事前に連携を図っておくことが重要です。

緊急連絡先の登録: 保育施設に、親の連絡先や親族の連絡先を登録しておき、緊急時に迅速に連絡を取れるようにします。

避難計画の確認: 事前に保育施設の避難計画や避難場所を確認し、子どもがどこに避難するのかを把握しておきます。

通信手段の確認: 災害時に使う連絡手段(電話、SNS、メールなど)を保育施設と確認し、どの方法で情報を受け取るかを決めておきます。

保護者向けの情報提供: 保育施設が発信する災害時の情報(避難指示、安全確認など)を受け取るための手段を確保します。

地域の避難所の把握: 自宅や保育施設の近くの避難所の場所を事前に確認しておき、子どもが避難する可能性のある場所を知っておきます。

共同訓練の実施: 保育施設で行われる防災訓練に参加し、実際の避難方法や連携の流れを学ぶことで、災害時の行動がスムーズになります。

備えるべき防災グッズ

幼児のための防災グッズは、災害時に安全と安心を確保するために重要です。以下のアイテムを用意しておきましょう。

  • 非常用持ち出し袋: 幼児用の小さなバックパックに必要な物をまとめる。
  • 食料と飲料: ベビーフードやお菓子、飲みやすい水やスポーツドリンク。
  • 衛生用品: 必要な年齢であればおむつやおしりふき、手指消毒剤。
  • 衣類と毛布: 季節にあった着替えや保温用の上着、軽量の毛布や寝袋。
  • 安全用品: ヘルメットやクッション、ケガに備えたガーゼや絆創膏。
  • 遊び道具: リラックスできるおもちゃや絵本。
  • 安否確認用の情報: 名前や連絡先を記載した名札。
  • 防災情報のマニュアル: 避難場所や連絡先のリスト。

これらのアイテムを整えておくことで、幼児の安全と安心を確保し、災害時に備えることができます。

一見、遊び道具は不要に思えるかもしれませんが、実はストレスの緩和に役立つ重要なグッズです。
災害は幼児にとって大きなストレスとなるため、ストレスを軽減するためにも、多少なりとも遊び道具を用意しておくといいでしょう。

例えば、ぬいぐるみを抱きしめたり、一緒に遊んだりすることで、心身のリラックス効果が期待できます。また、絵本を読んであげることで幼児の不安を和らげることもできます。
遊び道具としてだけではなく、幼児と大人のコミュニケーションツールとしても有効です。

災害発生時や避難生活中は、ママやパパも気持ちに余裕がないことが予想されますが、幼児とコミュニケーションをとることで、お互いの心の安定を図ることができます。
お気に入りのぬいぐるみや絵本を1つ用意しておくといいですね。

子どもと一緒に防災を学ぶ

子どもと一緒に防災を学ぶためには、楽しみながら実践的な知識を身につけることが大切です。以下の方法を取り入れると、子どもも積極的に防災について学べます。

 絵本を使って学ぶ

子ども向けの防災絵本を活用して、災害時の対処方法を楽しく学ぶことができます。
日常生活に近い状況を描いているものを選ぶと、子どもたちは自分ごととして理解しやすいです。避難訓練の大切さが分かる『はなちゃんの はやあるき はやあるき』をはじめ、火事の怖さが学べる『火にきをつけて、ドラゴンくん』、1~2歳児にも興味が持てるように描かれている『ぐらぐらゆれたらだんごむし!』がおすすめです。

防災訓練に参加する

実際に体験することで、防災の大切さをより深く理解できます。地域や保育施設で行われる防災訓練に一緒に参加したり、家庭で地震や火災の避難訓練をシミュレーションするのも効果的です。子どもには、避難経路や安全な場所を実際に歩いて教えることも、いざというときの練習になります。

防災グッズを一緒に準備する

防災グッズを一緒に準備することで、子ども自身も何が必要なのか学ぶことができます。非常用持ち出し袋にどんなものを入れるか、子どもにも選ばせてみましょう。

日常の中で防災の話題を取り入れる

災害がテーマのニュースや自然現象について、親子で話し合う機会を作ります。特に、地震や台風など、日常的に起こりうる災害について、「もしこうなったらどうする?」とシミュレーションしてみると、子どもは興味を持ちやすくなります。

遊びを取り入れる

防災をテーマにしたクイズやゲームを取り入れることで、子どもは楽しく学べます。例えば、「地震が起きたらどこに隠れる?」といったクイズや、防災グッズを使ったしりとりゲームもおすすめです。防災に役立つものをしりとりしていくことで、子どもが自然に必要なグッズを覚えられます。

自分ができることを決める

子どもでもできる役割を決めておくと、災害時に積極的に行動できます。「避難時に自分のリュックを持つ」「緊急時に笛やホイッスルを吹く」など、小さな役割を与えると、災害への備えとして自分の役割を果たす意識が育ちます。

子どもを守るための防災対策は日常から

災害はいつ起こるかわかりません。そのため、子どもを守るための防災対策は、日頃から準備することが大切です。

例えば、家具が倒れないように固定したり、避難するための通路を確保したりして、家の中を安全な場所にしましょう。
また、防災バッグを用意し、定期的に避難訓練をしておくと、ママ・パパが緊急時に慌てずに行動することができるようになるでしょう。
大人が落ち着いて行動することが、子どもの安心と安全につながります。

子どもには、災害時に簡単にできる役割を教え、自分の身を守る方法を学ばせることが大切です。そうすることで、家族全員が安心して行動できるようになります。
防災対策は一度やって終わりではなく、家族みんなで日常的に考えておくことが、安全な未来を作る第一歩となります。

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