赤ちゃん・子育て

いつどこで起こるかわからない災害。
大人であれば自身を守る行動を取れますが、赤ちゃんと一緒に被災した場合には、ベビーファーストの行動が求められます。
突然の災害に備えるためには、発生直後から避難時までの赤ちゃんのケアをイメージした、事前の対策が大切です。
そこで本記事では、赤ちゃんのいる家庭が災害に備えておくべきものから、日常でできる対策までを紹介します。
赤ちゃんを守るための防災対策を事前にチェックし、万が一、災害が発生しても大切な命を守りましょう。
防災対策の基本的な考え方
まずはどのような場合にも共通する、防災対策の基本的な考え方を確認しましょう。
- 災害に備える理由とは?防災意識を持つことの重要性
- 過去の災害時の失敗を教訓に学ぶ
防災意識を持つことは、今すぐ始められる防災対策です。
また地震大国である日本だからこそ、過去の災害時の失敗事例から学べることが沢山あります。
以下で、防災対策の基本的な考え方を確認していきましょう。
災害に備える理由とは?防災意識を持つことの重要性
災害に備えるべき理由は、突然の事態でも冷静な行動を取り、自身や大切な人の命を守るためです。
地震・津波・台風・豪雨・火災などの災害は、時間や場所を問わず発生します。
こうした災害を想定できていないと、予期せぬ事態に慌ててしまったり、適切な行動を取れなかったりするでしょう。
緊急時でもとっさに正しい行動が取れるように、「災害はいつ起きてもおかしくない」という意識を持ち、備えておくことが大切です。
過去の災害時の失敗を教訓に学ぶ
災害発生時の被害を最小限に抑えるためには、過去の失敗事例から得た教訓を活かすことが大切です。
国土交通省の防災ポータルサイトを参考に、過去の失敗を踏まえた災害時の教訓として、以下の5つをあげました。
- ハザードマップを確認しておく
- 避難経路や避難所を確認する
- 避難時の食料・必要物資を最低3日分確保する
- 正確な情報収集ができるようにする
- 災害時を想定した安全対策と訓練を行う
まずはじめに重要なのが、ハザードマップで地域の危険を把握したうえで、避難経路や避難所を確認することです。
「地震による液状化で自宅避難ができなかった」などの失敗談もあるため、災害時の自宅周辺の危険を確認し、安全に避難できる経路と避難先を決めておきましょう。
また自宅避難・避難所どちらを選ぶ場合も、物流が復旧するまでの3日間分の食料や生活物資などを備えておくことが大切です。
さらに災害時でも正確な情報が得られるように、家族間で連絡方法を決めておくことや、防災アプリをインストールしておくことがおすすめ。
過去の地震では家具の倒壊による被害も大きかったため、日常での防災対策としては、自宅の家具を固定する・災害を想定して避難訓練を行うなどもあげられます。過去の災害時の失敗事例を教訓に、災害時に身の安全を守るための備えを行いましょう。
赤ちゃんのための防災対策
赤ちゃんがいる家庭では、前述した基本的な防災対策に加えて、以下の対策も行いましょう。
- 必要なものをリスト化して備える
- 日常生活で「ローリングストック」を取り入れる
言葉が話せない赤ちゃんだからこそ、災害時もできるだけ普段と変わらない生活を送るための対策が大切です。
日常で簡単に取り入れられる「ローリングストック」についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
必要なものをリスト化して備える
赤ちゃんに必要なものは月齢によって異なるため、お子さんの月齢に沿って必要なアイテムをリストアップし備えましょう。
特に必須で備えておきたいものは、以下の5つです。
- ミルクや哺乳瓶
- 離乳食
- おむつ
- おしりふきやウェットティッシュ
- おもちゃやお菓子
災害のストレスで母乳が出なくなる可能性もあるため、普段は母乳を与えている場合も非常用に液体ミルクなどを準備しておくといいでしょう。
搾乳して哺乳瓶で授乳し慣れておくなど、準備しておくことも効果的です。、
また、おもちゃやお菓子は、赤ちゃんがお気に入りのものを用意しておくことで、安心感を与えることができます。
おむつや衣料品はかさばるため、圧縮袋に入れておくことでコンパクトに持ち出せるほか、水濡れの防止が可能です。
赤ちゃん用の非常用アイテムは、軽くて丈夫なリュックなどに収納し、取り出しやすい場所に保管しましょう。
移動手段としては、少なくとも抱っこ紐は持っていくようにしましょう。
緊急で避難しないといけない場合は、抱っこで移動して、落ち着いた段階で抱っこ紐にチェンジすると、避難時の抱っこの負担を軽減できます。
ですが、緊急時ではあわててしまい気が回らないこともあるかもしれません。スリングや座れるポーチなどを玄関の近くの目のつく場所に置いておくと、いざというときにも安心です。
日常生活で「ローリングストック」を取り入れる
日常で取り入れやすい赤ちゃんの防災対策としておすすめなのが、「ローリングストック」です。
ローリングストックとは、日常的に使用する食品や日用品を少し多めに購入し、消費しながら新しいものを補充していく方法のこと。
災害に備えた赤ちゃん用品のローリングストックには、以下のメリットがあります。
- 期限切れを防ぎながら常に新鮮な避難物資をストックできる
- 避難時も赤ちゃんが慣れたアイテムを使用できる
- 赤ちゃんの成長に合わせた備えができる
ローリングストックを行う場合は、赤ちゃんの成長に合わせて3ヶ月に一度は内容を見直しましょう。
日頃使用しているアイテムをストックしながら消費していくことで、万が一の災害時も日常に近い生活ができます。
赤ちゃんを守るための日常の対策
赤ちゃんを突然の災害から守るために、日常において取り入れたい対策は以下の2つです。
- 家の中の安全を確認しておく
- 家族全員で防災訓練を行う
自宅で過ごすことの多い赤ちゃんの安全を確保するために、災害時を想定して家の中で危険になる箇所がないかを確認しておきましょう。
また赤ちゃんと一緒に避難することをシミュレーションした、家族全員での防災訓練も重要な対策です。
赤ちゃんを守るために日常で取り入れられる対策を、詳しく紹介します。
家の中の安全を確認しておく
自宅で赤ちゃんと被災した場合を想定し、家の中に危険がないかを事前に確認しておきましょう。
例えばベビーベッドや赤ちゃんの遊び場の近くに背の高い家具がある場合、地震で家具が倒壊し下敷きになったり、すぐに駆けつけられなかったりする危険性があります。
どうしても赤ちゃんのスペース周辺に家具を配置する必要がある場合は、家具を壁にしっかりと留めつけたり、突っ張り棒で固定したりしましょう。
またガラス製の戸棚などには飛散防止フィルムを貼ることで、割れたガラスが飛び散ることを防止できます。
さらに地震発生直後に、赤ちゃんと自身の頭を守るスペースがあるかどうかの確認も必須です。
頑丈な家具などの下に隠れたり、大人用と赤ちゃん用の防災頭巾を備えておいたりして、地震発生時に即座に頭を守れるよう備えましょう。
災害発生時に危険になる場所を事前に確認して、赤ちゃんが過ごす家の中の安全を守ってください。
家族全員で防災訓練を行う
災害発生時に赤ちゃんの安全を守るためには、ママだけ・パパだけではなく、家族全員での防災訓練が大切です。
防災訓練を家族全員で行うことで、それぞれが災害時に必要な役割を理解し、協力して行動できます。
また災害はいつ発生するかわからないため、家族全員での防災訓練は日中・夜とシチュエーションを変えての実施がおすすめです。
家族全員が災害発生時をシミュレーションしながら協力して防災訓練を行うことで、いざという時に迅速かつ適切に対応できる力が身につきます。
赤ちゃんの防災対策に関するよくある質問
ここでは赤ちゃんの防災対策に関してよくある、以下の2つの質問について解説します。
- 自宅内での避難訓練はどのように行えばいい?
- 子どもが怖がらないようにするためにはどうしたらいい?
すでに家族全員での防災訓練をおすすめしましたが、自宅内で避難することを想定した訓練を行うことで、意外にイメージが湧きづらい在宅避難に備えられるでしょう。
また赤ちゃんが突然の災害で怖がりパニックを起こさないための対策も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
自宅内での避難訓練はどのように行えばいい?
自宅内で避難する「在宅避難」を想定した避難訓練は、実際に在宅避難を行っている想定で一日過ごしてみることがおすすめです。
赤ちゃん用・大人用で事前に用意しておいた非常用アイテムを使用し、普段通りの生活が送れるかを確認してみましょう。
また地震では、在宅避難を選んだ場合も、余震・二次被害などで自宅外への避難が必要になる場合があります。
そのような場合に備え、自宅から避難所へ実際に徒歩で向かったり、夫婦で緊急避難時の連絡方法などを話し合うようにしましょう。
避難する際に持ち出す荷物を実際に持ってみるのもいいでしょう。災害時に赤ちゃんをしっかり守れるか、日常に近い状態で過ごさせてあげられるか、はママとパパの事前準備次第です。
「災害なんて、めったに起こらないだろう…」とは考えずに、この記事をきっかけに一度避難訓練してみましょう。
子どもが怖がらないようにするためにはどうしたらいい?
子どもが災害時に怖がらないようするためには、日頃から防災訓練を実施し、避難が必要な状況に慣れておくことが大切です。
赤ちゃんの場合は言葉での説明が難しいので、普段の行動に避難時を想定した動きを取り入れることで、怖がったりパニックになったりを防止できます。
また避難時には赤ちゃんが気に入っているおもちゃ・お菓子を持っていくなど、普段と同じ環境を用意することも、災害時の不安を和らげることができるでしょう。
何よりもママやパパが普段と同じように落ち着いた声で話しかけたり、赤ちゃんが安心できる環境を作ってあげることが大切です。そのためにも事前準備をしておきましょう。
防災対策を日常に取り入れて大切な赤ちゃんを守ろう
日頃から防災意識を高めて対策を行うことで、突然の災害発生時も落ち着いて赤ちゃんを守る行動がとれます。
また赤ちゃんの防災対策で大切なことは、「災害時でもいかに日常に近い生活を送れるか」を考えることです。
災害時に赤ちゃんに必要なものをローリングストックしておいたり、家族全員での防災訓練を行っておいたりして、大切な命を守りましょう。
今回ご紹介したことを参考に、いつ発生するかわからない災害に備えて、今日からぜひ対策を始めてみてください。